Nさんは40歳になったばかりの独身女性。
8ヶ月程前初めてリーディングを受けにいらした時、Nさんは勤めていた会社が急に倒産し、一切の後始末を押し付けられた形で信頼していた社長にも逃げられ、お給料ももらえず、最悪の状態でした。
40代で突然失職した不安と、会社に残された多額の負債・・・Nさん自身は一社員でしかないにもかかわらず、様々な面倒を抱えこみ、しかも恋人と別れた後だったので精神的に支えになる人もおらず、身も心も疲弊しきっていました。
その時のNさんは怒りの感情と自己憐憫の感情でいっぱいでした。
自分はなんて不幸なんだろう!
そして信頼していた社長に対してのこらえきれない怒り。
普通で見たら、相当同情すべき状況で、彼女の憤りも自己憐憫も誰しもが理解できるところでしょう。
だけど透視リーディングというのは、問題の表面ではなく核となる原因を見つけ出し対処していくという別の視点を与えてくれるものです。
私が透視で見つけた真の原因は、このたびの出来事は彼女自身が対人関係間で陥りがちなパターンに端を発しているというものでした。
彼女には対人関係において「共依存」の関係に陥りやすいという繰り返しているパターンがあったのです。
日頃から彼女は社長にとても信頼され、重宝がられ、大切にされていたようでした。
彼女は仕事も良くでき、社長の手足となって働いていましたし、それによって逆に社長から得られるメリットもあったので、会社に色々不満はあったものの、会社内での自分の立場はそこそこ悪くなかったですし、社長から得られる恩恵の部分にも執着があり、辞められずにいました。
もちろん、ある年齢で女性が再び転職をするというのは結構しんどいことなので、Nさんがより良い職場を探すよりも、文句があってもそこそこのメリットがあるところにとどまろうとした行為は責められるものではありません。
でも今回の悪しき出来事はそこが最たる原因でした。
Nさんはもともと私のところへアロマテラピーで通っていたクライアントだったので、私は以前から『会社が結構いい加減で・・・』などの不満を聞いていました。
あきらかにNさんの内なる声はその会社を辞めるようにと告げていましたが、40歳で再就職先を探すということや収入が減るかもしれないという恐れから、Nさんは会社にとどまり続けることを選び続けていたのです。
彼女はリーディング中に私の質問にこう答えました。
社長の面倒を見るのは面倒なこともあるけど、恩恵もあるから・・だから・・・と。
私が透視で見たところ、彼女は誰かに守ってもらいたがっているように見えました。
あきらかに恐れからくる損得勘定が働いていました。
本当は彼女自身の内側には嫌なことを我慢せずとも、もっと自分の能力を生かせる場所で活躍できる能力があるのに、自信がないゆえ、不本意な状態にとどまらざるを得ない、そんな様子でした。
実は彼女はその1年ほど前に転職をしてこの会社にやってきたのでした。
その当時彼女はこういってました。
『前の外資より小さいけど、あそこよりまともな人たちがいるし、
ここなら楽しくやれそう』
でもその時、私はまったく逆の見方をしていました。
というのはその前の会社の時も(彼女いわく)無能な上司に重宝がられ、面倒なことを押し付けられ、結局それが我慢できなくなって辞めたという経緯があったからです。
この会社の時もなかなか辞めなかった理由は、給料がすこぶる良かったからという理由でした。
Nさんはそういう経緯で転職してきたわけでしたが、結局のところ、同じパターンを繰り返しているだけなのでした。
彼女のハイアーセルフ(内なる声)はこう言っていました。
『問題の本質は自分自身の自信の無さにある。
それ故、誰か力がある人の恩恵に依存しようとするから、
不本意な状態を受け入れ続けることになるのだ。
自分の内なるパワーに目覚めるように。』
残念ながら、この1度目のリーディングの時点では、Nさんは自分の問題に気づけませんでした。
Nさんの視野はあまりにも狭くなっていました。
自分は被害者以外の何者でもないという視点から抜け出せなかったのです。
私は心の中で彼女のハイアーセルフに祈りました。
『どうか気づけますように!』
彼女は気づきさえおこれば、内なるパワーを生かして、もっと望む人生を楽しめるはずの人でしたし、変化すべき時期でもありました。
会社の倒産という一見アンラッキーに思える事件は、まさに、本来の道から逸れ過ぎたNさんを、真の道へ引き戻すために起こった必然の出来事だったのです。
Nさんは気づいていませんでしたが、透視をしていた私には見えていました。
これは大きくNさんの人生をシフトさせる波が起こり始めているのだと。
だけど、その時のNさんにはそれを受け入れる余地はありませんでした。
彼女は同情を求めていたからです。
Nさんはしばらく苦しみました。
でもそれから数ヵ月後、再びリーディングに訪れました。
その時は、多少、逃げた社長に対する怒りも収まってきていましたが、今度は最愛のペットが死んでしまったことで、悲しみに打ちひしがれていました。
この時も、Nさんはいまだ自己憐憫の罠から抜け出せずにいました。
彼と別れ、やっとの思いで転職した会社は倒産し、しかも信頼していた社長から裏切られ、さらに追い討ちをかけるように最愛のペットが死んでしまったからです。
独り暮らしの彼女にとってペットがいなくなることは、孤独を意味することでした。
何もかもうまくいかない彼女は、別れた恋人への未練を募らせていきました。
誰か支えてくれる人が欲しくてたまらなかったのです。
彼女は打ちひしがれていましたが、透視をした私にはまったく別のものが見えました。
恋人と再びよりを戻すことは、彼女をいつもの悪しきパターンに引き戻すだけでしたし、ペットの死さえも、彼女を真の道へ導くために起こった出来事のようでした。
彼女の最愛のペットは彼女のそばに現れこう言っていました。
『今までたくさん可愛がってくれてありがとう。
でもね、もうこれからは自分のために生きて!
そのために旅立ったんだよ。
もうひとりでもやっていけるよ。自分の力を信じて。』
彼女はもう誰かに依存するのではなく、楽な方に流れるのでもなく、常に誰かに慰めてもらうのでもなく、内なる声に従って、自分の力を信じて、ひとつひとつ乗り越えていくことによって、自信を取り戻す必要があったのです。
3回目に彼女がやってきたのはヒーリングを受けるためでした。
この時、彼女は将来の不安に打ち震えていました。
確かに、普通ならそうなります。
40歳で、未婚で、恋人とは別れ、職も失ったのですから。
私は彼女に尋ねました。
『何か興味があること、してみたいことはないのですか?
仕事がない時期というのは考えようによってはラッキーですよ。
普段できないことができるのですから。
再び仕事を始めたらこんなに長く休めなくなりますよ。
今のうちにしかできないことを、何かやってみられたら?』
すると彼女は
『以前は、留学をしてみたいと思っていました。短期間でもいいので。』
『ならば・・・是非!
今日、このヒーリングが終わったら早速行動してみられたら?
ヒーリングでエネルギーはクリアにフォーカスされてるから、
きっと今行動すればスムーズですよ。』とお伝えしました。
それから10日後、再びヒーリングにやってきた彼女は既に10日間の短期留学を申し込んだことを報告してくれました。
『20代の頃夢見てたことが、今になって、こんな形で実現するなんて!
今思えば、会社の倒産も、ペットがいなくなったことも、
このためだったのかも・・・と思えます。
留学してみたいと思ったことは何度もあるけれど、
母親との問題や、ペットが気になることや、
自分の中の恐れから踏み出す勇気が持てませんでしたから。』
さらに驚くべきことを話してくれました。
『不思議なんですけど、前回のヒーリングを受けた2日後、
突然逃げた社長から電話がかかってきて、謝罪をしてくれました。
後始末に関してもきちんとしてくれるそうです。』
そう言うNさんからは、
もはや怒りのエネルギーはほとんど見られなくなっていました。
ヒーリングを受けた後、このようなことはしばしば起こります。
ヒーリングによって彼女の怒りのエネルギーが解放され、一連の出来事に対する執着がなくなったために、事態が良い方向に展開し始めるのです。
怒りや何らかの感情を持ち続けている限り、事態は停滞を続けますが、執着がなくなると、驚くべき速さで、物事が勝手に片付いていきます。
3回目のヒーリングにやってきたのはそれから2週間後でした。
『留学に行くと決めてスッキリしていたのですけど、
日が近づいてくればくるほど不安がでてきたみたいなんです。』
この頃になるとNさんは、自分がどのような時に不安感が出てくるのかということを熟知し始めていたので、そうなるとヒーリングにやってきて、オーラやチャクラのお掃除をして、その後、クリアになったエネルギー状態で行動をすばやくとる、という風に、自分なりに上手にリーディングやヒーリングを活用するようになっていました。
だけどこの時も嬉しい報告をしてくれました。
『実は前回のヒーリング後、またしても不思議なことが・・・。
10日間の予定だったのが受け入れホストファミリーの都合でダメになって、
結局、昔通ってた日本の英会話学校で知り合った人が留学している学校に
3週間行くことになって、そこの寮に入ることになったんですよ。
期間が延びた上に、そこで懐かしい知人にも会えるなんて!』
留学直前、またしてもNさんはやってきました。
今度は留学先で同室になる人とうまくやっていけるかしら?という不安が出てきたようでした。海外にひとりで行くのも初めてだそうで、それも不安になり始めていました。
人によって恐れの種類は様々です。でも誰しも新しいことを始める時は、楽しみの反面、多かれ少なかれ恐れが出てくるものです。
ヒーリングはそういった不安の感情が浮上してきて行動を躊躇し始めた時に、それをクリアにしてくれます。
そして彼女は暮れも押し迫った時期に元気に旅立って行きました。
年が明けて帰国したNさんは、今度はリーディングとヒーリングでやってきました。
就職に対する不安が出てきたのです。
またしても不安に突き動かされて就職先を選んでしまいそうなので・・・ということで、透視でこれから自分が進むべき道を見極め、前進を阻む不安のエネルギーをヒーリングで一掃したいと思っていたのでした。
そこで再び、
『何かやってみたいことはないですか?なんでもいいですから。』と聞きました。
私がこう聞くのは、自分に自信がない人は、本当はやってみたいとちょっとは思っていることがあっても口にしない傾向があるからです。
向いていませんよ、と言われたらどうしよう・・・という恐れがあるからです。
(もちろんエネルギー的に調和しないことや、魂のテーマから逸れているように見える時はそう申し上げますが・・・)
彼女が口にしたことは、これまでの仕事とは違うクリエイティブで、自分を表現するような職業でした。
そして私が透視で見る限り、それはとても向いているように見えました。
彼女の真のニーズを満たすのに最も必要とする要素が、その仕事をすることで、今より数倍得られるようになるからです。
彼女はその仕事を通じて、霊的にも成長していくことができるように思えました。
それを職業にする具体的な考えは、これまでの彼女にはない発想でした。
だけど、今回の留学先でのある経験が、彼女をあることを職業にしたいと具体的に思う方向へと導いたのです。
それは彼女自身が、自分の体験の中から導き出したものでした。
私はこういった気づき方が大好きです。
私主導で、クライアントの人生を決めていくのではなく、クライアント自身が自らの体験の中から答えを導き出していく。
これこそ、自由意志に基づいた人生の在り方だし、このように自分で答えを導き出す方が、本人の大きな自信、自分の決断に対する信頼へとつながるからです。
そもそも、本当は自分がどうしたいのかは、本人が深い部分で知っているものなのです。
私の役目は、それを引き出すことです。
そこで透視をしながら話し合った結果、彼女自身も気づきました。
実は自分がこれまで、世間的な価値観に縛られて職業を選んでいたということにです。
彼女はこれまで、内なる声に従って職業を選んでいませんでした。
世間的に見て立派だと思われる種類の職業(彼女の最初の就職先は世間的に羨ましがられる類の会社でしたから)、収入が高く安定していて、そこそこ見栄えが良さそうなもの。
本当の自分、内なる声が訴えることではないものをずっと選択し続けたので彼女の道は逸れ続けて、そしてとうとう修正を余儀なくされるような「倒産」という出来事が起こったわけです。
留学という経験を通して彼女は多くの気づきと自信を得、自分の殻を少し破れたようでした。
その経験を通して、本当にやってみたいことにも気づけたのでした。
自分が本来の輝きを得られるものが何であるのかに気づけたのは、災難をポジティブな行動に変換させた、その結果でした。そして今、彼女はさらなる新しい道に向かって早速行動をとり始めています。
さらにハッピーなことに、彼女にとっての留学は嬉しいおまけつきでした。
留学によって真の自分を発見できただけではなく、以前見知っていたある男性と、再びその地で会えたようなのです。
そしてお互いに、少なからず好意を抱いているようでした。
私が透視で見る限り、彼女がちゃんと本来の自分の道にのり続けて生きていくならば、その男性とはとてもエネルギーが調和するようでした。
自分の内なる声に従って本来の自分を生き始めると、
あらゆることがうまく運ぶようになります。
自分にとって必要なものが、努力なしで引き寄せられてきます。
これまでのNさんは、あまりにも内なる声を無視し続けたために道を逸れすぎていましたが、上手に透視リーディングやヒーリングを活用することによって、本来の自分の道に戻ることができたようです。
これらの一連の出来事はたったの7ヶ月ほどの間に起こったことです。
その間、セッション以外にも、Nさん自身でエクササイズをしたり、考えすぎないで行動したりすることによって、これらのプロセスは進められました。
もちろん、彼女自身のハイアーセルフが見えないところで大活躍していたことは言うまでもありません!
一見、災難に思えた出来事の数々は、彼女を本来の道へ引き戻すためのハイアーセルフのお膳立てだったのですから。
これからも、今よりもっと、望む人生をクリエイトしていかれることと思います。
最後に、『自分の体験が誰かの励みになるならば・・・』と体験談に掲載することを快く承諾してくださったNさんに、大いなる宇宙の祝福がありますように!!








